読んだ本日記

理系から文系になった男子大学生による本の感想

妄想銀行 (星新一 新潮社 新潮文庫)

結末を予想し、外す楽しみ×32

本の内容と感想

本書は星新一さんによるショート・ショート(明確な定義は存在しませんが、一般的に原稿用紙20枚程度以下の小説のことらしいです)を32編収めたものです。

 

1編約10ページ程度であるのに加え、星さんの読みやすい文章のおかげでスラスラと読むことができ、また1編1編を読み終えるごとに確かな読後感を感じました。

僕が中学生の頃、図書室でなんとなく手に取ったのが、星さんのショート・ショートとの出会いであり、なつかしさからこの本読みましたが、年を取っても、あの頃と同じ、いやあの頃以上のおもしろさを感じました。

 

また昔と違い、起承転結を意識し、結末を予想するという読み方をしてみました。

1編が短いため、起承転結を意識し、物語が進むにつれて訂正し、最終的にあっていたかを確認するのが簡単でした。

結末は「転」のあたりから、自然と予想が湧いてきましたが、それの予想を上回る結末が待っており、読み終わるたびに驚くばかりでした。

僕のおすすめは「信念」と「陰謀団ミダス」、「古風な愛」ですかねえ。

 

ただし、最も驚かされたのが、この本が発表されたのが「1967年」ということ。今から約50年近く前の作品であることでした。

読んでいるときは全く古臭さが感じられず、登場人物や言葉、描写がすんなりと入ってきました。これが星さんの書くショート・ショートの力なのか…

 

この本を通じて、改めて星新一のショート・ショートの魅力を知ることができました。全巻読破を目指してみようかな。

 

 

妄想銀行 (新潮文庫)

妄想銀行 (新潮文庫)

 

 

 

妄想銀行

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